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2006年3月12日 アメリカ戦の観戦記

前日にロサンゼルス空港からアナハイムに到着し、ヒルトン・アナハイムホテルへチェックイン。どこで晩御飯を食べればよいか分からず、結局ホテルのレストランで寂しく食事。球場を下見しておこうと思っていたのですが、時差ぼけがひどくて、すぐに寝てしまいました。

さていよいよ、2次リーグ初戦の優勝候補筆頭であるアメリカとの対戦です。デイゲームなのでホテルの部屋で遅めの朝食(パンとコーヒー)を食べて、11時にホテルを出発。レンタカー(写真)を走らせるとすぐに球場へ、2時間前に出たというのにもう人でいっぱいです。それもそのはず。アメリカチームは、まさにドリームチーム!ヤンキースからは、アレックス・ロドリゲス(写真)(年棒約30億円)、デレク・ジター(写真)(年棒約25億円)が出場、他にもアトランタ・ブレーブスのチッパー・ジョーンズ(写真左から2人目)や、元マリナーズのケン・グリフィーJr(写真左から2人目)といったスター選手がズラリ。アメリカ人にとっても、アメリカのドリームチームを見れるだけで光栄なのでしょう。WBCのグッズ売り場に入るのにも30分ほど並ばなければいけないような混み具合。記念にWBCロゴ入りのボールを2つ購入しました。一個8ドルだったので1000円弱というところ。

席に案内してもらうと、丁度バックネット裏。200ドルもした席ですが大満足です。こんな感じのエリアでした(写真)。前から2列は、スピードガンやらスコアボードを持った人たちが座っていました。わたしの席は、前から4列目。よく見えます。この席では、実際に投手の投げた球が曲がったり、落ちたりするのがよく分かりました。まだ、少し試合開始まで時間があったので、王ジャパンの選手の練習を見学。打撃の練習をしています(写真)


試合開始!

試合開始時に、開会式のセレモニーがありました。アメリカの国歌と日本の国歌斉唱、それとコミッショナーの挨拶。(写真) そして試合開始です!

1 2 3 4 5 6 7 8 9 得点 ヒット エラー
日本 1 2 0 0 0 0 0 0 0 3 8 2
アメリカ 0 1 0 0 0 2 0 0 1 4 12 0

アメリカの先発は、サンディエゴ・パドレスのピーヴィー。日本の先攻で始まり、いきなり先頭打者のイチローが、何と先頭打者ホームランと幸先のよいスタート!!!ピーヴィーの球はあまり走っていませんでしたね。たぶんまだ3月なので仕上がっていなかったのでしょう。2回には川崎宗則選手の2点タイムリーで3−0と日本がリード、いい感じで、幸先の良い出だしでした。

先発の上原浩治投手も粘りのピッチングで、順調に0に押さえていましたが、2回チッパー・ジョーンズ三塁手に一発を打たれ3−1となります。チッパー・ジョーンズも軽く一振りでセンター奥深いところにホームランですからね。パワーがあります。上原は細身ですが、伸びのある球を投げていました。バックネット裏から見ると、玉がよく曲がるのが分かります。相手のサンディエゴ・パドレスのピービー投手よりも調子は良かったのではないかと思います。並み居る大リーグのスラッガーを相手に、この1失点だけに押さえる好投で、5回を終了しましたから上出来でしょう。

日本守備陣もファインプレーの連続で上原浩治投手をバックアップしていました。特に、西岡はセンスの塊ですね。スポーツ神経がすごくいいのでしょう。アメリカでも通用するんじゃないか、と思えるくらい守備も上手く、打撃もキラリとセンスが光っていました。


ボブ・デービッドソン主審、大誤審!

3-3の同点で迎えた8回、日本の攻撃。様々なメディアで話題となった、主審の誤審についてです。

要は、タッチアップした西岡の足が三塁ペースを蹴るのが早すぎた、ということですね。

バックネット裏の客席からの視点では、そんなの問題なかったですよ。というより、「セーフ」といっておいて、後で「アウト」と、判定を覆すのは、あの流れでは不条理この上ない判定ですね。見ていて、アメリカ人も日本人も、「あれれ...?」という感じでした。ボブ主審も勇気がいったでしょうね。あそこで流れを変えるということは、並大抵の度胸じゃできないものでしょう。しかも、セーフからアウトに判定を変えた後も、何の場内アナウンスもなく、平然とした態度に周りのアメリカ人も 、「え、何があったの?」 状態でした。狐につままれたような感じでしたから、王監督もフィールドに出て行って抗議していましたが、「そりゃないでしょう」としか言ってなかったのでは、と思います。あの場にいなかったら分からないと思いますが、本当に、「そりゃないでしょう」状態でした。圧倒的に後半は流れが日本にあり、(戦力では勝てないと思っていた)アメリカに対し、日本が押している試合運びでしたから、アメリカにしてみれば実にラッキーな出来事でした。本来だったら、ありえないということは、球場にいた選手、観客とも皆理解していたでしょう。


日本、アメリカに敗れる!

アメリカの伏兵、ボブの反転誤審で、アメリカに運が向いてきた、というよりも、日本の勢いと試合の流れが決定的に変わったように思いました。得点が入って、リードしたと思ったら、スコアボードの得点は0に戻されたのですから。貴重な勝ち越し点だったのだから一層凹みます。イチローは2度も敬遠されましたし、「それでいいのか、アメリカ」、という感じでした。ジャパンの選手は、気持ちの切り替えができないまま、最終回に突入という感じでした。野球って流れだなぁ、と思うくらいあっけなく、Aロッドに決勝打(それもヘッポコの当たりそこね)を打たれて試合終了。まったく終わった感じがしません。スポーツマンらしからぬアメリカの主審に、開いた口が塞がらない、身も蓋も無い試合結果になってしまいました。この試合で生まれた、(アメリカのフェアネスに対する)失望と喪失感は、この後の韓国戦にも引きずることになります。それにしても、本当にいい試合だっただけに、あの判定だけは残念でした。

今日の試合のMVPは、まさしくボブ主審ということにしておきます。

3月14日 メキシコ戦の観戦記へ続く >>

 

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